全ての星野ニアへ

フランシス・チャーチがサンタクロースは実在すると答えたのは、1897年の事だった。

目には見えないし、存在をとらえることはできないけれど、純粋な善意、逞しい空想力や深い愛情でのみ捉える事のできる、愛や思いやりや労りといった人々を癒すものが存在する世界で、サンタクロースは確かに存在すると子供に説いた。

 

 僕はVtuberが嫌いだった。この表現方法が生まれた時、確かにそこには無限大の可能性があった。

 目新しさ以上に、あらゆる才能がきらめき、どんなキャラクターを表現する事が出来た。どんな事も出来た。そしてたとえどんなに無茶苦茶であったとしても、声を出すキャラに誠実だった。視聴者とキャラの距離は近く、相互に協力してキャラクターを作っていこうとういう雰囲気と新しいものを作ろうとする情熱がそこにはあった。二次元と三次元の狭間にいる様な存在だった。世界中の誰もがVtuberになり、自分とリスナーとキャラクターを共有し、愛や思いやりや労りを相互にもたらす関係になるものだと考えていた。

 ところが、そんな時代は長く続かなかった。視聴者とキャラの関係は相互にいい放送、いいキャラを作るという関係から、お金を出す関係と受け取る関係になった。

収益を上げる為に、いかにキャラの立ち絵にお金をかけて、著名なイラストレーターに立ち絵を組んでもらい、魅力的な立ち絵を動かす事ができるかが大部分を占めるようになった。

配信内容がキャラを考慮しないものになったのは勿論、キャラのディテールを明確に設定し、話す内容を自身のキャラと照らしあわせ、そしてキャラを表現するといった根本的な事すら行わなくなった。

 配信者も事務所も、ゲーム配信がアングラ文化生まれであることをいい事に、目先の利益の為にルールや倫理観を平気でぶち破り、自分たちの都合のいいように二次元と三次元を使い分け、盲信する事をファンに求め、そうでないものを排除した。

 視聴者も炎上を求めてやってくる悪質なアンチ、見当違いな義憤に駆られる正義マン、全肯定し続ける狂信者と、まともでない者が多くなり明らかに健全な界隈ではなくなった。

その一方で、見向きもされず孤独と向き合っているVtuberが圧倒的に多いという格差を生んだ。

 このように、あれほどの可能性を持ち合わせていたVtuberの果てが、ただのかわいい女の子の絵を被ったニコニコ生放送になってしまった事に辟易した。

 

 そんな時、星野ニアが生まれた。

 Vtuberデビューしたかったが予算が組めず立ち絵を用意できていなかった者、配信そのものが初めての者、様々な者が集った。彼らが各々年齢のみ規定され、性別すら自由といわれた”星野ニア”に対して、独自の解釈と設定を組み立てた結果、同一キャラがベースになっているとはとても思えない魅力ある多様性が生まれた。それはVtuberが登場してまもない頃の、煌めきが無数にできた銀河の様だった。

 驚くべきことに、ニア同士の繋がりとみんなでニア文化を昇華させていこうという思いがとても強かった。瞬く間にコラボが行われ、ニアのコミュニティでは、配信技術で詳しいニアがニアの相談を引き受け、問題を解決するといったエピソードが多く存在した。又、独自に立ち絵の色を変えて特徴つけようとするもの、独自にグッズを作る者、そして独自に立ち絵モデルの改修、再構成まで行う猛者が出ていた。

 更に、視聴者とニアの繋がりも、決して弱いものではなかった。マシュマロ投稿の悩みに応えるといったものから、視聴者コメントの無茶ぶりに即興で回答したり、コメントでコードネームが決まったり、コメントを採用してイベントが企画されることもあった。自分のコメントも時偶取り扱われる事があり、その度に嬉しさ反面、自分の一言でここまでしてもらっていいのかという一抹の困惑があった。しかし、そういったやり取りを何度か重ねる内に、これがニアとリスナーの相互作用であり、黎明期Vtuberのみせた希望という忘れていた感覚と高揚感を想起させられた。と同時に、荒んだ日常に薄く、細い光が差したような心地がした。本当に様々な星野ニアに私は助けられたし、きっと多くのリスナーも同様に感じていると私は確信している。視聴者数がまだ少なくて、このまま配信を続けていいのか不安を感じ、苦しむニアが多いことは分かっている。今こそ私は彼らの為にすべての視聴者の感謝を伝える為に筆を執りたいと思った。私達はニア達と過ごす毎日が楽しいし、あなた達の放送に支えられてる。ほんとうにニアとして生まれてくれてありがとう。

 

 星野ニアとの想い出は自分にとって、早すぎたクリスマスプレゼントだった。そして、Vtuberとはどんなに魅力的な存在であるかという事を改めて再認識させられた存在だった。これまで関係を築き上げてきたニアも、まだ見かけたことのないニアも、そしてまだ見ぬ星野ニアにも、本当に感謝しかない。ありがとう。

 

 最後に、このカレンダー企画を組み立てたえんじにあと、ニアの両親への感謝をそえて文章の〆とする。

 

 

名もなき星野ニアファン

星野ニア アドベントカレンダー

星野ニア アドベントカレンダーの1日目です。
星野ニア Advent Calendar 2020 - Adventar

一発目なので概要について書きます。

自己紹介

星野ニア 14歳です。 twitter.com

はじめに

アドベントカレンダーは12月1日から25日まで各日担当の誰かがテーマに沿った記事を投稿するイベントです。
星野ニア アドベントカレンダーには
・星野ニア について
Vtuber活動 について
・最近興味があること
・宣伝
等適当に書いてください。
まだ枠余ってるので他のニアも空いた枠でどんどん書いてください。 「星野ニア」に関することについては星野ニア以外の方でも空いた枠で自由に書いてください。

「星野ニア」について

目 浮津ママのデータと規約の元で活動している方たちです。
詳しくは下記リンク、リプライツリーを参照してください。
概要としては
・活動名が「星野ニア」であること
・設定上「14歳」であること
著作権は「目 浮津」ママが保有すること
です。

何人くらい居るの

観測系ニアさんのリストに捕捉されてます。今235人くらいですかね。 https://twitter.com/i/lists/1301504667285741570